標本から母比率を区間推定する

標本から母比率を区間推定する方法メモ。



標本から母比率を区間推定する


全数調査が難しい時に、標本値から母集団の統計量(平均とか分散とか)を推定することができます。この記事では、その中でも特に母比率の推定方法について解説します。


中の仕組みとしては、二者択一的な試行の分布であるベルヌーイ分布を使うことで母比率の推定ができるようになります。ですが、計算するときは公式に値をあてはめるだけです。



母比率の区間推定でできるようになること


母比率の区間推定を使うと、内閣支持率や禁煙率など、二者択一的な比率の推定ができるようになります。



母比率の区間推定


母比率の区間推定を行う公式は下記の通りです。


r - 1.96 * √(r(1-r)/n) <= R <= r + 1.96 * √(r(1-r)/n)


rは標本比率、Rは母比率です、nは標本数です。1.96は正規分布表の両側5%点です。


上記の公式は、信頼度95%、標本数は十分大きい(少なくとも30より大きい)ことを前提としています。


上記の公式はベルヌーイ分布から計算することができるのですが、それを書くと長くなるので、より詳しく知りたい方は参考書籍を読んでみてください(^^)



それでは、上記の公式から具体的な問題を解いてみます。


日本全体のペットの飼育率を調べるために、大きさ500の標本を抽出して標本比率を調べたところ、0.62でした。これを元に、日本全体のペットの飼育率を信頼度95%で推定してください。


標本比率0.62を公式に代入すると以下のように計算できます。


r - 1.96 * √(r(1-r)/n) <= R <= r + 1.96 * √(r(1-r)/n)

0.62 - 1.96 * √(0.62 * 0.38 / 500) <= R <= 0.62 + 1.96 * √(0.62 * 0.38 / 500)

0.58 <= R <= 0.66


よって、日本全体のペットの飼育率は、0.58以上、0.66以下となります。



まとめ


母比率の区間推定を行いました。


公式だけいきなり書いてしまいましたが、詳しい内容を知りたい方は参考書籍をぜひ読んでみてください(^^)



参考書籍


この二冊を読んでこの記事を書きました。必要十分なことしか書いてないのでむっちゃおすすめです。



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